昨日は内部監査だった

こんにちは。所長です。

 

昨日は監事と会計士さんに来てもらって

内部監査を行いました。

 

 

で、

借金の話になって、

今年度はなんとか70万くらいは

返済できそうですと

お伝えしてきました。

 

その中で、

そもそもなんで赤字になったのか?

 

みたいな話になって、

予算書や決算書だけを見れば、

人件費だろうということはわかりますが

実情はそうではない。

 

社会の変化についていけなかった。

 

これにつきます。

 

まず、

10年前と比べて

一般就労する障害者の数は

かなり増えました。

 

そして、

施設の数は3倍以上に増えました。

 

元々の施設の数というのは

飽和状態だったのか、

適切な数だったのか、

その辺りはわかりませんが…

少なくとも、

10年前に比べて

3倍の選択肢があるというのは

間違いなさそうです。

 

その中で、

他の施設と比べて、

うちを選んでもらわなければ

ならないのですが、

その選んでもらうための

理由と魅力が

うちの施設にはありません。

 

 

それは、

このブログを読んでいるあなたが

どう感じるかではなく、

スマイル中山と

他の施設を天秤にかける人が

うちを魅力に感じるかどうか?

 

これにつきるわけです。

 

元はと言えば、

スマイル中山は東作業所という

ボランティアさんや女性会、

近所の方や有志などが立ち上げた団体であり、

無認可施設でした。

 

そこから認可を受けて、

法人化する際にはぐくみの里と

共同作業所スマイル中山に分裂して、

一度は無くなり、

NPO法人として復活し、

今に至ります。

 

この流れの中で、

実は我々の提供している価値や

魅力というものは

ほとんど変化していません。

 

しかし、

世の中が変わったことによって、

価値観が変わり、

魅力的に感じなくなった。

 

というのが実情のように思います。

 

基本的には、

価値というものは

満たされていないものに感じます。

 

家に帰って、

水道の蛇口をひねって

水が出る事に感動する人は

おそらく日本人ではほぼいないでしょう。

 

それは、それが当たり前だからです。

 

ところが、

砂漠のど真ん中で水が飲み放題なら

かなりの大きな価値を持ちます。

 

このように、

物や事象は同じでも

満たされているかいないのか、

それによって価値を感じるか、

感じないのかが決まります。

 

スマイルが提供している価値で

わかりやすいものは

居場所や安心、暖かいご飯でしょうか

 

となると、

スマイルに価値を感じられる人は

居場所がなく、

安心できる場所や

気軽に頼れる人がいない、

暖かいご飯を必要としていない、

 

あるいは、

すでに満たされている人

 

ということになります。

 

そこが満たされているというのは

障害者福祉にとって、

我々日本人にとって、

実は歓迎すべき状態であると思います。

 

昔ながらの作業所が

どんどん勢いを失って

やがれ閉所に追い込まれる

 

というのは、

そこだけ聞けば悲しいですが、

その分だけ、

社会が成熟していっている証なので

 

実は歓迎すべき事態です。

 

それでは、

スマイル中山も

他の施設のように

無くなっていくのでしょうか?

 

そう言われれば、

僕はそうではないと思っています。

 

体型的な事を、

構造的な事を言えば、

 

提供してきた価値が

マズローの欲求で言うところの

初期段階のものが多かった。

 

だが、

社会が前進して、

中期段階の欲求が増えた。

 

と言うだけの話で、

うちも中期段階の価値を提供するだけで良い。

という話だと思います。

 

この状態が、

多分一番しんどくて、

ここさえ抜ければ

やがて最終段階の価値を提供することになります。

 

それはうちが得意なので楽です。

 

ここでざっくりと

マズローの欲求を説明すると、

人は安心安全をまずは求め、

次に豊かさや幸せを求め、

最後は自己実現、社会実現を求める。

 

みたいな順番です。

 

これは教育にもリンクしている部分もあって

民から国民、そして市民になり、

今はフラタニティと仮に名付けています。

 

このフラタニティというのは

友愛、博愛、同窓愛と訳されます。

 

つまり、

横のつながりを大切にする人たちです。

 

今の若者がなんでもかんでも

写真を撮って

SNSにアップするのは、

自分のステージが横の人達と

同じであることをアピールする、

あるいは上のステージ上がる為の

大事な作業なのです。

 

つまり、

おしゃれなカフェで

おしゃれな珈琲を飲むのは

上流であり、

自分もその上流であることを

SNSでアピールをして、

同じく上流のひとから

いいねをもらうことで

お互いのステージを確認しているんです。

 

誰をフォローしているか

誰にフォローされているか、

それが大事なんです。

 

これがフラタニティです。

 

この水平方向への志向というのが

今の若い人たちには強いです。

 

で、

精神障害者福祉というのは

今は豊かさや幸せを求める人が多い

という段階に来ているんだと思います。

 

なので、

街中で高い工賃と高い就労移行率、

そして綺麗でおしゃれな施設が人気です。

 

これは明らかに上昇志向であり、

フラタニティとは違って

市民の反応であり、豊かさへの渇望です。

 

しかし、

今の若い人たち(SNS世代)が

お金を求めるというのは

割と早く決着がつくと思います。

 

能力が高い人ほど、

上昇志向が低く、

水平思考が強いのが

現代の若者の特徴なので、

金銭的な豊かさは

自己のヒエラルキーを

保てる程度で十分となり、

それよりも摩擦やストレスを

軽減する方向に転換すると、

そう思っています。

 

そうなったときに、

沢山稼げる!働ける!

 

とかよりも、

もっとピア活動や水平方向への

影響力に興味のある人が

増えてくると思います。

 

そうなったときに、

スマイル中山というのが

選択肢に上がってきます。

 

なぜなら、

広島市で最初の精神に特化した

歴史のある施設で

精神保健福祉協会、県知事からも

表彰をされるような権威性もある

そんな施設で他ではやっていないような

斬新な活動ができる。

 

上昇志向に疲れた人が

行きつく場として

野良犬喫茶の位置を

確立しておければ、ですが。

 

しかし、

実現できれば

価値として大きいと

僕は思っています。

 

で、

それはいつなんだい?

 

という話ですが

たぶん10年以内!

だろうと思います。

 

逆算して、

それまでに借金を返済して、

綺麗な、行きやすい立地に

移転するのが5年後と仮定しています。

 

みたいな話をしてきました。

 

なので、

安心安全という価値から

金銭、豊かさという価値へと

人が求めるものが変わった。

 

だから、

利用者が増えない。

 

しかし、

それも長くは続かない。

 

というのが僕の予想する未来です。