こんにちは。所長です。
定期的におとずれる
スマイルが提供している価値とは
一体なんだ?という話です。
我々のような精神障害者施設には
ウリというか特色みたいなのがあって、
例えば工賃が高いとか
駅近とか就労への移行率が高いとか
のんびりできるとか
そういった感じです。
で、
そのウリっていうのは、
分類すれば2つしかありません。
1つ目は
機能をウリにしている施設です。
その施設に行けば、
どんなメリットがあるのか?
みたいなことです。
工賃がウリなら
同じような事をしても
1時間で200円のところもあれば
1時間で300円のところが
あったとしましょう。
どっちいきますか?
そりゃ300円の方でしょう。
駅近なら何km県内とか
徒歩圏内とか、
なんなら駅直結とか、
近い方がいいですよね。
就労移行率にしても
率が高い方が良いです。
これらは別々の話に聞こえますが
一貫した共通点があって、
数字で比較できる。
ということです。
例えば、
コンビニとかでホッチキスを
買おうとした場合って
だいたい2~3種類しかないですよね。
それってつまり、
ホッチキスに払える値段の相場と
求める機能がほぼ限界まで優れている商品と
それとはちょっと違うベクトルのものが
ちらっとあるだけだと思います。
機能を追求すると、
1番の商品と、
1番への対抗ぐらいしか
生き残ることが出来ない
ということです。
なので、
施設の1つ目である機能がウリの施設は、
工賃が高いという比較できる価値と
交通の便が良いという概ね比較できる価値と、
就労移行率が高いという比較できる価値、
この3つのバランスが良い施設が生き残り、
それ以外は全部なくなるだろう。
というのが僕の考えです。
2つ目は
意味をウリにしている施設です。
その施設に行く意味とは何か?
それを問うのです。
コンビニの例に話を戻せば、
こっちはタバコがそれにあたります。
タバコって健康に悪いし、
臭いはつくし、
ライターとか携帯灰皿とか
付属品もそこそこ高い。
しかも機能面はまったくない。
なのに、
ホッチキスが2~3個しか
生き残れないのに
タバコは100も200も種類があります。
それはタバコが
嗜好品であり、
タバコのウリとは、
火を付けたら煙が出る
枯れ葉ではなくて、
タバコを吸う
意味を売っているからです。
それは緊張する場面でも
いつもの自分を取り戻す
マインドセットだったり、
朝のルーティンだったり、
コミュニケーションツールだったり、
物思いにふける時間だったり、
そんな意味を売っています。
タバコを吸う人は
自分が吸うたばこが
1番だとは思っていません。
1番である必要がないからです。
他のタバコと比べて、
数字でどれだけ優れているのか
まったくもって表現できません。
これが意味を売るということです。
さて、
遠回りしましたが
スマイルはどうか?といえば
もちろん意味をウリにしています。
では、もう少し詳しく
スマイルのウリとはなにか
説明していきます。
それは、
変化や成長していなくたって良い
という生き方です。
右肩下がりになる人生を許容し、
今の自分で、生きてるだけでハナマルだと
思える人生を送ることだとです。
これは福祉業界の常識と真逆です。
精神障害者福祉の制度的な建付けは
基本的には成長やポジティブな変化を
前提にしています。
当然ですね。
世界を変えられるような人たちがいて、
その人たちが良い世界にしてくれると
僕たちは信じています。
しかし、みんながそれに
順応できるわけでもないし
みんながそれで幸せになれるわけでもない。
比較したり、競争を促す社会は
相対的な価値によって
成り立っていますが、
僕たちは違います。
僕たちはそんな社会の鎖から自由でいられる
野良犬みたいなもんです。
そんな他人がどうこうではなく、
自分が良いと思える絶対的な価値です。
僕たちには
社会を変える力はないし
変わっていく社会に順応もできない
だけど、
社会の鎖につながれて
走らされている人達よりも
幾分か幸せだと思っています。
ただ、
社会で頑張っている人たちを
応援しています。
僕たちは変に吠えたりしません。
むしろ、
すごく応援しています。
みんなが頑張って成長して、
社会を良くしていってくれて、
それで集まった税金で
僕たちは珈琲を御馳走になります。
長くなりましたが、
この野良犬的な価値観や
生き方、哲学こそが
スマイル中山の提供している価値です。
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